交通事故の整形外科治療
交通事故に遭われた際は、怪我の早期診断と適切なリハビリテーション、そして薬や注射による痛みのコントロールが重要です。整形外科は交通事故による四肢と脊椎・骨盤の様々な外傷の治療を担当します。なお頭部や顔面、胸腹部の損傷については整形外科の専門外になりますので当院での診断や治療は出来ませんが、どこを受診したら良いのか判断に迷った際には、まず一度ご相談ください。
交通事故による整形外科での診療
まずはじめに、整形外科専門医による診察とレントゲン検査などから怪我の診断を行い、個別に治療計画を立てます。
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骨折・脱臼:整復の上、ギプスなどで固定し、早期からリハビリテーションを行います。手術が必要な場合は、近隣の病院へ紹介します。
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むちうち(頚椎捻挫):交通事故で首に強い衝撃が加わることで生じ、首だけでなく肩や背中などに痛みが出ることがあります。しびれや頭痛、だるさなどの症状を引き起こすことがあり、リハビリテーションや薬、注射などの方法で治療します。
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その他の外傷:捻挫、打撲、挫傷などがあります。事故直後は痛みがなくても、翌日~数日後に症状が現れることがあるため、軽症と思っても早期の受診が大切です。
リハビリテーションによる治療
早期回復と後遺症の予防のため、リハビリテーションは非常に重要です。当院では医師の指示のもとで、理学療法士と作業療法士による運動器リハビリテーションと物理療法(電気治療)や牽引療法を組み合わせ、早期の回復を目指して治療しています。
注射による治療
痛みが強い場合や持続する場合には注射を用いることがあります。
- トリガーポイント注射:痛みの原因となっている筋肉の硬結(トリガーポイント)に局所麻酔薬や消炎鎮痛剤を注入し、痛みを改善します。
- 関節内注射:痛みのある関節内への注射で関節の炎症を軽減します。
- 神経ブロック注射:神経やその周囲に局所麻酔薬を注入し、痛みを軽減します。
薬による痛みの管理
痛みや炎症を抑えるために様々な薬を処方します。
- 内服薬
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みと炎症を抑える効果があります。
- プレガバリン・デュロキセチン:神経障害性の痛みに効果があるとされる薬です。
- 筋肉のコリをほぐす薬:むちうちなどで筋肉の緊張がある場合に処方します。
- 外用薬 湿布や塗り薬を処方します。痛みのある部位に直接作用し、炎症を抑えたり痛みを和らげたりします。
